Japanische Klassiker mit Furigana
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
Lesen Sie 私本太平記(五) (しほんたいへいき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 252.330 Zeichen · 505 Bildschirme
と、報ずる者や、また、
「さにあらず、尊氏みずから思い立った火急の何かをもって、至尊を驚かし奉ったという由を洩れききまする」
などと告げるもある。
いずれにしろ、通過した牛車の内の人間は尊氏でない代え玉だろうとしていた宮のご観察を裏づけるものは何もない。そのうえ、だいぶ遅くではあったが、千種忠顕がわざわざ重臣をよこしてつたえて来た事々には、さすが宮廷内に自己の耳目をたくさん持っている彼だけに、かなりくわしく、かつ真相にふれているらしくもあった。
それによれば。
尊氏はおとといの夜半からきのうの夜半まで、六波羅内の寺院で盛大な亡父の供養をいとなみ、かねがね、主上と准后の廉子からは、祭祀の供華を賜わっていたので、そのおこたえに参内したものと、衛府や伝奏には触れられているという。
また。
今日の参内には、ひとりの盲法師を同車しており、主上へ拝謁は彼だけらしいが、あとでは揃って、東宮と准后の廉子へもお目にかかり親しくお礼申しあげるなどの儀も内官にとりはからわれているとある。
そのお礼とは、彼のいとこにあたる覚一法師という琵琶の上手が、東宮にも准后からも可愛がられて、このたび、