Japanische Klassiker mit Furigana
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とっかんきこう
突貫紀行
幸田 露伴
Lesen Sie 突貫紀行 (とっかんきこう) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.819 Zeichen · 16 Bildschirme
食うものいとおかしく、山中なるに魚のなますは蕈のためしもあれば懼れて手もつけず、椀の中のどじょうの五分切りもかたはら痛きに、とうふのかたさは芋よりとはあまりになさけなかりければ、
塩辛き浮世のさまか七の戸の
ほそきどじょうの五分切りの汁
十四日、朝早く立て行く間なく雨しとしとふりいでぬ。きぬぎぬならばやらずの雨とも云うべきに、旅には憂きことのかぎりなり。三本木もゆめ路にすぎて、五戸にて昼飯す。この辺牛馬殊に多し。名物なれど喰うこともならず、みやげにもならず、うれしからぬものなりと思いながら、三の戸まで何ほどの里程かと問いしに、三里と答えければ、いでや一走りといきせき立て進むに、峠一つありて登ることやや長けれども尽きず、雨はいよいよ強く面をあげがたく、足に出来たる「まめ」ついにやぶれて脚折るるになんなんたり。並木の松もここには始皇をなぐさめえずして、ひとりだちの椎はいたずらに藤房のかなしみに似たり。隧道に一やすみす。この時またみちのりを問うに、さきの答は五十町一里なりけり。とかくして涙ながら三戸につきぬ。床の間に刀掛を置けるは何のためなるにや、家づくりいとふるびて興あり。