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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Lesen Sie 竹柏記 (ちくはくき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.798 Zeichen · 91 Bildschirme

Aozora Bunko

孝之助はしぜん、自分の身のまわりのことはぜんぶ自分でした。尤も、母がいるじぶんでも、それが彼の好みであって、

――こんなに手のかからない子も珍しい、なんだか情がうつらないようでこころぼそい。

そんなふうに、よく云われたものである。

――ひとり息子じゃないか、もっと我儘にしたらいいだろう。

親類の者や、友人たちからも、そう煽動されるくらいだったが、それが生れつきであろう、彼自身にもどうにもならなかった。こういう性分をもっとも単直にあらわして「高安律義之助」という仇名が、彼には付けられていた。

食事はいまでも父といっしょにした。病床の脇へ膳を据える。いつもは浅乃が父に喰べさせるが、夕餉のときは、孝之助が(自分も喰べながら)父に喰べさせた。ゆるい粥と、茹で潰した蔬菜であるが、この頃では顎がうまく動かないとみえ、口からこぼしたりするので、ずいぶん時間がかかる。しかし彼は辛抱づよく、少しもいやな顔をしないで、喰べ終るまで決してそばを離れなかった。

恒例のとおり、その日も、父といっしょに夕餉をとり、あとの茶を枕元で、城中のことなど話しながら、ゆっくり済ませた。