Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ちくはくき

竹柏記

山本 周五郎

Lesen Sie 竹柏記 (ちくはくき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.798 Zeichen · 91 Bildschirme

Aozora Bunko

背中に八束を囲って、こちらへ挑みかかるような姿勢だった。

――そうだ、あれはまだ岡村を忘れてはいない、忘れていないばかりか、ことによると愛しておるのかもしれない。

そう思うのは耐え難いことであった。しかも悪いことには、そう思いながらなお自分が妻を愛していて、その愛が断ち切れなくなるばかりだということである。

――そんなにまでして結婚することは、不自然ではないだろうか。

北畠の叔母はいつかそう云った。彼はそうは考えなかった。この世に在ることは、すべてが偶然の組み合せである。恋はしばしば神秘的な表現で飾られるけれども、二人にとって、お互いが絶対だということはない。甲乙の男女が結びつくのは偶然の機縁であって、さればこそ失敗し、相別れる例が多いし二度め三度めの結婚でおちつくばあいも、少なくはない。……孝之助は杉乃を愛していた。そして、どんなことがあっても、彼女を岡村の手に渡したくなかった。それだけであった。求めて杉乃を娶った気持も、そのために生じた八束との争いも、強く愛する者を幸福にしよう、という情熱、他の大多分の男のもつ平凡な情熱と一般ではないか。

「だがこれは、やっぱり自分の一方的な考え方だったかもしれない」