Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Lesen Sie 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.739 Zeichen · 32 Bildschirme
早や暮れかかって、ちらちらと点れる、灯の数ほど、ばらばら誰彼の人通り。
話声がふわふわと浮いて、大屋根から出た蝙蝠のように目前に幾つもちらつくと、柳も見えて、樹立も見えて、濃く淡く墨になり行く。
朝から内を出て、随分遠路を掛けた男は、不思議に遥々と旅をして、広野の堂に、一人雨宿りをしたような気がして、里懐かしさ、人恋しさに堪えやらぬ。
「訪ねてみようか、この近処だ。」
既に、駈込んで、一呼吸吐いた頃から、降籠められた出前の雨の心細さに、親類か、友達か、浅草辺に番傘一本、と思うと共に、ついそこに、目の前に、路地の出窓から、果敢ない顔を出して格子に縋って、此方を差覗くような気がして、筋骨も、ひしひしとしめつけられるばかり身に染みた、女の事が……こうした人懐しさにいや増る。……
ここで逢うのは、旅路遥な他国の廓で、夜更けて寝乱れた従妹にめぐり合って、すがり寄る、手の緋縮緬は心の通う同じ骨肉の血であるがごとく胸をそそられたのである。
抱えられた家も、勤めの名も、手紙のたよりに聞いて忘れぬ。
「可し。」
肩を揺って、一ツ、胸で意気込んで、帽子を俯向けにして、御堂の廂を出た。