Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
―――事態が既にこうなってから何を申上げることもないし、未練がましいようだけれども、小生として一言貴下に釈明させて戴かなければ立つ瀬がない。貴下は或は、小生等夫婦が妹の心中を十分確かめても見ずにこの縁談を進めたようにお考えかも知れないが、事実は、あの妹は決して貴下を嫌っていなかったのみならず、寧ろその反対であったと信じる。それでは先日来の貴下に対するあの消極的な曖昧な態度、電話での応対などを如何に説明するかと仰せられるでもあろうが、あれは持ち前の異性に対する怯懦と羞耻心とがさせたことで、貴下を嫌っていた証拠にはならない。三十を越した女がそんな馬鹿らしいことが、と、他人は誰しもそう思うところだけれども、彼女の平生をよく知っている肉身の者たちには不思議でも何でもなく、ああ云う場合に彼女としてああ云う風になるのが常で、あれでも昔よりは幾分か人みしりをしなくなったのである。が、こんなことを云っても世間に通る筈がないので、何の言訳にもならないことは小生等も存じており、殊に先日の電話の件については、何とお詑びを申上げてよいやら言葉もない。小生は彼女の性質を陰気にあらずとし、却って内部に花やかさを蔵しているとさえ申上げたことがあり、今でもその言が誤りでないことを信じる者であるが、しかし女があの歳になって満足な挨拶一つ