Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
のようにすらすらとは行かず、二三度書き直しをしたりして次のような文を綴った。―――
暫く御ぶさたしていました間にいつか今年も好季節になり六甲の山に日々霞が棚引くようになりました。阪神間は今が一番麗しい時で、毎年のことですけれども、今時分になると私はいつも家の中にじっとしていられないようになります。長らくおたよりも差上げませんでしたが皆々様御きげんようお暮しですか、こちらは家内一同相変らず元気にしております
さて又いやなことなので、筆がすすみません。実はこいさんが悪性の赤痢にかかり目下重態になっていますに付、兎に角お知らせしておきます
こいさんのことはいつぞやお手紙もありましたから、気の毒ながらこの家を出て貰い今後絶対に出入りしてくれぬように申し渡しましたことは、あの時御報告した通りです。でもこいさんは案じたように啓坊と同棲することはせず、本山村の甲麓荘と云うアパートで独身生活をすることになったことも、あの時お知らせした筈ですが、その後どんな風にして暮しているのやら、気にかかりながらつい此方から尋ねても見ず、先方からも何のたよりもありませんでした。ただお春が時々そっと訪ねるらしく、今もそのアパートに住んでいること、啓坊とは内々交際しているけれども先方の家へ泊り込むようなことはしないらしいと云うことを聞いて、まあ