Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女も井谷の美容院の常得意ではあったけれども、井谷の店は料金が高いので、時々余所の店へ行ったこともあった。そして雪子こそ縁談のことでたびたび厄介をかけているけれども、妙子は何もそう云う負い目を感じていないのであったが、それでも彼女は、井谷のさっぱりした、物にこだわらない気象と、任侠に富む男のような性質とに、日頃から好意以上のものを寄せていたのではあった。彼女は殊に去年以来、蒔岡の家を勘当された形になってから、何となく世間が狭くなったように思え、心なしか今迄懇意にしていた人々が急に自分を妙な眼で見始めたような気がしてならなかったのに、井谷は終始一貫して、いつも変らぬ親身な態度で遇してくれた。そのくせ彼女の不品行の数々は、そう云う噂の伝播し易い美容院の主人である井谷の耳には、最も早く這入っていた筈であり、裏の裏まで知り抜いていたに違いないのに、井谷は妙子のそう云う暗い方面は見ようとせず、良い面ばかりを認めてくれているらしかった。妙子は平素からそれが嬉しかったところへ持って来て、その井谷が今朝わざわざ暇乞いに来、特に「こいさんに会いたい」と云い、是非東京へも一緒に来るようにとまで云ってくれたと聞いては、ひとしお感激の念を禁じ得ないものがあった。