Japanische Klassiker mit Furigana
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 細雪 (ささめゆき) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 226.715 Zeichen · 431 Bildschirme
で注射して貰い、辛うじて口元まで出かかった胎児を、幸子と雪子とで代る代る引っ張り出した。二人は云わず語らずのうちに、妙子のために幸先よかれと祈る心から、何とかして鈴のお産を無事に済ませてやりたくて、一生懸命手伝った訳であったが、悦子がときどき便所に降りて来た風をして廊下から覗き込もうとするのを、悦ちゃん彼方へ行ってらっしゃい、子供が見るものやありませんと叱りながら、とうとう明け方の四時迄かかって三匹の仔を首尾よく分娩させたのであった。そして、二人が血腥い手をアルコールで消毒し、臭のついた着物を脱いで寝間着に着換え、これから寝床へ這入ろうとしている時であった。不意に電話のベルが鳴ったので、はっとして幸子が受話器を取ると、果してお春の声であった。どないしたん? もう済んだん? と云うと、いいえ、まだでございます、お産がえらい重いらしいて、二十時間も前から苦しがっていらっしゃいます、と、お春は云って、院長先生の話では陣痛微弱と云うことで、促進剤の注射もしてくれたのであるけれども、昨今は独逸製の良い薬が払底しているとかで、国産品を用いるせいか、あまり利き目が現れない、こいさんはずっと呻りつづけに呻って身を悶えておられて、昨日から全然物が食べられず、変などす黝い青いものを嘔いてばかりおられ、こう苦しくてはとても助から