Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんがくずきのかていから

羅生門・鼻・芋粥

芥川 竜之介

Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

幾多の諸君が、熱心に執筆の労をとってくださったのは、特に付記して、前後六百枚のはがきの、このために費されたのが、けっして偶然でないということを表したいと思う。

その翌々日の午後、義捐金の一部をさいてあがなった、四百余の猿股を罹災民諸君に寄贈することになった。皆で、猿股の一ダースを入れた箱を一つずつ持って、部屋部屋を回って歩く。ジプシーのような、脊の低い区役所の吏員が、帳面と引合わせて、一人一人罹災民諸君を呼び出すのを、僕たちが一枚一枚、猿股を渡すという手はずであった。残念なことに、どの部屋で、どんな人がどんなことをしていたか忘れてしまったがただ一つ覚えているのは、五年の丙組の教室へはいった時だったと思う。薄暗いすみっこに、色のさめた、黒い太い縞のある、青毛布が丸くなっていた。始めは、ただ毛布が丸めてあるんだと思ったが、例のジプシーが名まえを呼びはじめると、その毛布がむくむくと動いて、中から灰色の長い髯が出た。それから、眼の濁った赭ら面の老人が出た。そうして最後に、灰色の長く伸びた髪の毛が出た。しばらく僕たちを見ていたがまた眼をつぶった。かたわらへよると酒の香がする。