Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんがくずきのかていから

羅生門・鼻・芋粥

芥川 竜之介

Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

樗牛の事

一

中学の三年の時だった。三学期の試験をすませたあとで、休暇中読む本を買いつけの本屋から、何冊だか取りよせたことがある。夏目先生の虞美人草なども、その時その中に交っていたかと思う。が、中でもいちばん大部だったのは、樗牛全集の五冊だった。

自分はそのころから非常な濫読家だったから、一週間の休暇の間に、それらの本を手に任せて読み飛ばした。もちろん樗牛全集の一巻、二巻、四巻などは、読みは読んでもむずかしくって、よく理窟がのみこめなかったのにちがいない。が、三巻や五巻などは、相当の興味をもって、しまいまで読み通すことができたように記憶する。

その時、はじめて樗牛に接した自分は、あの名文からはなはだよくない印象を受けた。というのは、中学生たる自分にとって、どうも樗牛はうそつきだという気がしたのである。

それにはほかにもいろいろ理由があったろうが、今でも覚えているのは、あの「わが袖の記」や何かの美しい文章が、いかにもそらぞらしく感ぜられたことである。あれには樗牛が月夜か何かに、三保の松原の羽衣の松の下へ行って、大いに感慨悲慟するところがあった。