Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme
自分はひとり、渡し船の舷に肘をついて、もう靄のおりかけた、薄暮の川の水面を、なんということもなく見渡しながら、その暗緑色の水のあなた、暗い家々の空に大きな赤い月の出を見て、思わず涙を流したのを、おそらく終世忘れることはできないであろう。
「すべての市は、その市に固有なにおいを持っている。フロレンスのにおいは、イリスの白い花とほこりと靄と古の絵画のニスとのにおいである」(メレジュコウフスキイ)もし自分に「東京」のにおいを問う人があるならば、自分は大川の水のにおいと答えるのになんの躊躇もしないであろう。ひとりにおいのみではない。大川の水の色、大川の水のひびきは、我が愛する「東京」の色であり、声でなければならない。自分は大川あるがゆえに、「東京」を愛し、「東京」あるがゆえに、生活を愛するのである。
(一九一二・一)
その後「一の橋の渡し」の絶えたことをきいた。「御蔵橋の渡し」の廃れるのも間があるまい。