Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme
自分は樗牛の慟哭には微笑した。が、そのもっともかすかな吐息には、幾度も同情せずにいられなかった。――日は遠く海の上を照している。海は銀泥をたたえたように、広々と凪ぎつくして、息をするほどの波さえ見えない。その日と海とをながめながら、樗牛は砂の上にうずくまって、生ということを考える。死ということを考える。あるいはまた芸術ということを考える。が、樗牛の思索は移っていっても、周囲の景物にはさらに変化らしい変化がない。暖かい砂の上には、やはり船が何艘も眠っている。さっきから倦まずにその下を飛んでいるのは、おおかたこの海に多い鴎であろう。と思うとまた、向こうに日を浴びている漁夫の翁も、あいかわらず網をつくろうのに余念がない。こういう風景をながめていると、病弱な樗牛の心の中には、永遠なるものに対するが汪然としてわいてくる。日も動かない。砂も動かない。海は――目の前に開いている海も、さながら白昼の寂寞に聞き入ってでもいるかのごとく、雲母よりもまぶしい水面を凝然と平に張りつめている。樗牛の吐息はこんな瞬間に、はじめて彼の胸からあふれて出た。――自分はこういう樗牛を想像しながら、長い秋の夜を、いつまでもその文章に対していた。