Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme
墓はあの通り白い大理石で、「吾人は須く現代を超越せざるべからず」が、「高山林次郎」という名といっしょに、あざやかな鑿の痕を残している。自分はそのなめらかな石の面に、ちらばっている菫の花束をいかにも樗牛にふさわしいたむけの花のようにながめて来た。その後、樗牛の墓というと、必ず自分の記憶には、この雨にぬれている菫の紫が四角な大理石といっしょに髣髴されたものである。これはさらに自分の思い出したくないことであるが、おそらくその時の自分は、いかにも偉大な思想家の墓前を訪うらしい、思わせぶりな感傷に充ち満ちていたことだろうと思う。ことによるとそのあとで、「竜華寺に詣ずるの記」くらいは、惻々たる哀怨の辞をつらねて、書いたことがあるかもしれない。
ところがこのごろになって、あの近所を通ったついでに、ふと樗牛のことを思い出して、また竜華寺へ出かけて行った。その日は夏の晴天で、脂臭い蘇鉄のにおいが寺の庭に充満しているころだったが、例の急な石段を登って、山の上へ出てみると、ほとんど意外だったくらい、あの大理石の墓がくだらなく見えた。どうも貧弱で、いやに小さくまとまっていて、その上またはなはだ軽佻浮薄な趣がある。