Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Lesen Sie 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.240 Zeichen · 69 Bildschirme
自分もつえを持ってあとについて上りはじめた。上りはじめて少し驚いた。路といってはもとよりなんにもない。魚河岸へ鮪がついたように雑然ところがった石の上を、ひょいひょいとびとびに上るのである。どうかするとぐらぐらとゆれるやつがある。おやと思ってその次のやつへ足をかけるとまたぐらりとくる。しかたがないから四つんばいになって猿のような形をして上る。その上にまだ暗いのでなんでも判然とわからない。ただまっ黒なものの中をうす白いものがふらふらと上ってゆくあとを、いいかげんに見当をつけてはって行くばかりである。心細いことおびただしい。おまけにきわめて寒い。昨夜ぬいでおいたたびが今朝はごそごそにこわばっている。手で石の角をつかむたんびに冷たさが毛糸の手袋をとおしてしみてくる。鼻のあたまがつめたくなって息がきれる。はっはっ言うたびに口から白い霧が出る。途中でふり向いて見ると谷底まで黒いものがつづいてその中途で白いまるいものと細長いものとが動いていた。「おおい」と呼ぶと下でも「おおい」と答える。小さい時に掘井戸の上から中をのぞきこんでおおいと言うとおおいと反響をしたのが思い出される。