Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つばさのやぶれたからす

翼の破れたからす

小川 未明

Lesen Sie 翼の破れたからす (つばさのやぶれたからす) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.807 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

といって、手をたたいて喜びました。

「カア、カア。」と、からすは鳴いて、西の紅い空の中へ、だんだんと小さく、消えてゆきました。

この日から、この地上には、幸福が産まれ出たように思われました。一時に、木々のつぼみはふくらみ、芽さきは、色づきました。もう、冬は、どこかへ逃げていって、春がやってきたのです。

そのころから、晩方になると、からすが東の空から、西へ飛んでゆくのに、また、南の空からは、北へ、白い、白い、かもめの群れが列を造って飛んでくるのを見ました。かもめは、寒い、寒い、ところを恋しがって旅をつづけるのでした。一度、村の上を北に過ぎていったかもめは、二度と帰ってきませんでしたが、からすの群れはやはり、あくる日も、また、太郎の頭の上を通るのでありました。