Japanische Klassiker mit Furigana
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えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Lesen Sie 艶妖記 (えんようき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.761 Zeichen · 38 Bildschirme
十二時間にわたるみせびらかし行列の後、成木家へ到着すると、そこでまた言を絶し筆を絶する盛宴が始まった。その宴席の豪奢雄大なるさまは読者諸君に想像していただくよりしかたがない、なぜなら話がにわかに急がしくなってきたから、どうしてとおっしゃるか、まず宴席を御覧なさるがよい。
昼をあざむく燭台の光、眼もまばゆき飾り道具八十人に余る列席の客たち、宴げはまさに祝言の盃に及び、女蝶男蝶に装おった童男童女が、三つ重ねを載せた足打をささげて、しずしずと花嫁の前へすすみ寄った。花嫁は第一盃を取って作法どおりに飲む、静かに足打へ返すこれが花婿へ移った。成木持助殿は神妙にいま佳麗なる人の唇に触れた盃を取り、より神妙にそれを自分の口へ持っていった。その刹那である、持助殿の口が盃へ触れようとした、ちょうどその刹那に、「贋金――」という叫びが起こった、
「贋金作りの闇七、御用であるぞ」
天床ふすまにぴんと反響する叫び声、同時に座敷の三方から身ごしらえ厳重な捕方役人がばらばらと闖入して来た。なんと急がしくなったでござろうがな――しかし賊は誰だ、ああ花婿殿がとび上がった、下品にも「しゃら臭え」