Japanische Klassiker mit Furigana
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えんようき
艶妖記
山本 周五郎
Lesen Sie 艶妖記 (えんようき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.761 Zeichen · 38 Bildschirme
読者はここで二十五日間この物語から休息することができる、しかし二十六日めには吹矢村へ戻っていただかなければならない。なぜならそこではちょうど八百助の家が落成したからそして今日は落成祝いの酒宴が始まっているからである。――家は元の位置に建てられた、だがその構造と規模はまったく類を異にしている。一町四方に及ぶ築地塀、楼閣を有する邸宅、数寄屋、三棟の土蔵、厩、家僕長屋、そして贅を尽くした庭園、といったぐあいであるが、人々を驚倒せしめたのはその構えよりも、その壮大な構えを二十余日で完成した事実にあった。資材はすでに準備されていたらしい、馬、牛、車、あらゆる輸送機具と莫大な人力をもって運ばれるなり、切りも削りも挽きもせず、しかも一厘の狂いもなくばたばたと組み上げられた。胆のつぶれるような高賃で手伝いに出た村人たちは、八百助殿はみえなくなった一年間に金の鉱山を掘り当てたか、打出の小槌でも拾われたに違いないと噂をし合った。だが察しのよい読者は「ははあ」とうなずかれるであろう、金の鉱山でも打出の小槌でもない、彼は万有如意の能力によって、いつか父と母の話していた例の「ひじ蔵」