Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はですがたまんねんわかしゅ

艶容万年若衆

三上 於菟吉

Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

もとよりしがない一座とて、牛若丸はつい何処やらの下僕の如く、吹き鳴らす笛の音さえも心もとなく聴いておられぬ有様でございましたが、ふと皆鶴姫に扮たちました乙女の姿をながめたとき、私の心はまるで夢現になって了ったのでございます。まあ、何と讃えてよろしいか、その顔なら、姿なら、歌いつ、弾きつ、舞うさまなら、春の華に光を添え、秋の露に色を添えたような美しさと申しましょうか、なつかしさと申しましょうか――只一目見ましたこの時から私の心はすっかり彼女に囚われて、まるで疫病に罹ったようにただわなわなと慄えるのでございました。それでただもう一しんに姫の姿を眺めていますと、さきでも多くの見物の中に、私が目につきましたものか、時々何やら忍びやかに愛らしい眼でこちらを眺めあるかなきかの微笑をさえ洩らして見せるようにさえ思われました。私はもう堪え兼ねまして、せめて名なりと聴いて置こうと、つい傍に見ておりました町人に向って訊ねますと、あれは宇喜川お春という、娘役者じゃと教えてくれます。私の心の中では、そうしていつまでもあでなる姿を眺めていとうぞんじましたが、四辺の見物の中では目立つ自分が身なりに名さえ知ったからには又の日を期すもよかろうとそのまま其処を立去りました。