Japanische Klassiker mit Furigana
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はですがたまんねんわかしゅ
艶容万年若衆
三上 於菟吉
Lesen Sie 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.800 Zeichen · 67 Bildschirme
今宵も廓の小春屋より是非一くさり舞うてよとの使をうけながら、かぶりを振って答えもないので使はむくれて帰ってゆきました。
母のおたきは見兼ねるように、いま肌抜いて鏡台に向い、化粧を凝しているお春に言いました。
「これお春このごろ其方にも困ったもの。あの若殿様とやらが、御贔屓下さるようになってからというもの、其方はまるで腑が抜けてでもしもうたように、唄鳴物のお浚えも怠りながら、毎夜々々の逢引ばかりが楽しみそうに、このわしとさえろくに口も利かぬのはどうしたものじゃ。さきさまはそりゃ我々風情には勿体ない御身分らしゅうもあれば、たいそう美しい殿御ぶりでもあるそうな。したが、のう、お春、さきさまが優れた方であればあるだけ、わしゃそなたが心配でならぬ。女子を漁る殿御の心は大てい一つ。みんな一時のなぐさみにして、あとは野となれ山となれ――芸人芸者の我々が、もし、此方だけを打込んで、あとで知らぬと捨てられたら、そりゃ眼も当てられぬ浅間しさじゃ。命と頼む人があると知れば、もとより色香で立つ渡世、忽ち外の世の中からは、あれももう虫がついたと忘れられる。それもよい。がその上命と頼む人に、秋の扇と捨てられたその時にはもう全くの癈人じゃ。