Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
Lesen Sie 花火・来訪者 他十一篇 (あぢさい) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.046 Zeichen · 104 Bildschirme
しかしそんな事はお千代の問う処ではない。お千代は商売している時分、いつぞや洋服を着て来た男には盆暮その他折々世話になった事があるので、この間不意と銭湯の帰道で出会し、いやとも云われず家へ上げたのが間違のもとで、その後は主ある身だからと断ってもずうずうしくやって来るので、実は私もどうしていいのか途法に暮れているのですと、結句その後始末の相談を慶三の方へ持掛けるような風にしてしまった。
慶三はただ馬鹿野郎馬鹿野郎と怒鳴るばかり今更撲ったり蹴たりも出来ず、勝手にしろと云い捨てて外へ出てしまった。外へ出てから慶三は道々どう始末をつけようかと稍冷静に思案を廻し始めた。事は甚だ簡単である。旦那の留守に以前のお客を引摺込んだのだから、この儘暇をやって仕舞えばよい。それで向も、何一ツ苦情を云うべき筈はない。しかし慶三はすぐそれに続いて、暇をやってしまった後お千代はどうするだろうかと考えた。二度芸者に出るか、そうでなければ以前からも大分金を使ったらしい洋服の若い奴が、俺の代りに這入込んで、俺のしたようにお千代を自由勝手にするに違いない、と思うと慶三はいくら腹が立っても、腹立ちまぎれに滅多に暇をやることは出来ない。