Japanische Klassiker mit Furigana
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たけをたずねる
茸をたずねる
飯田 蛇笏
Lesen Sie 茸をたずねる (たけをたずねる) von 飯田 蛇笏 (いいだだこつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.193 Zeichen · 15 Bildschirme
滑らかに細長い萓の茎はいいあんばいに煙管の中を通りぬけて苦もなく旧に復し、又彼をして好い工合に煙草を吸わせる。煙草の煙は白い輪を画いて、彼の猟帽の端から頭近くのぞいた楢の葉に砕かれたり、或は薄々と虚空へ消えていったりする。立ち上ってこれから先きの連山に対してあれかこれかと選択する。山国の秋ほどすがすがしく澄みわたることはなかろう。山々峰々が碧瑠璃の虚空へ宛然定規など置いたように劃然と際立って聳えて見える。その一つ一つを選択するのである。すぐに決定する。歩み出すとき、軽々しい足取りが思わず大空の遠い薄雲を眺めさしたり、連峰の肩に鮮かに生い立った老松の影をなつかしいものの限りに見詰めさせたりする。
松林へはいってゆく。そうすると今までもの静かであった四辺が俄に騒々しいような気がして、何となく左顧右眄せしめらるるような気がしてくる。粂吉も連れず一人でそんなところを歩いているとき、不図綺麗な松落葉の積った箇所を見つけ出して緩々と腰かけて憩んで居るときなどその騒々しい気分がよく了解されてくる。多くは極めて幽かな山風が松の梢を渡って行くために起る松籟が耳辺を掠めてゆくのである。