Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme
本所小梅から押上辺に至る辺も同じ事、新しい工場町としてこれを眺めようとする時、今となってはかえって柳島の妙見堂と料理屋の橋本とが目ざわりである。
運河の眺望は深川の小名木川辺に限らず、いずこにおいても隅田川の両岸に対するよりも一体にまとまった感興を起させる。一例を挙ぐれば中洲と箱崎町の出端との間に深く突入っている堀割はこれを箱崎町の永久橋または菖蒲河岸の女橋から眺めやるに水はあたかも入江の如く無数の荷船は部落の観をなし薄暮風収まる時競って炊烟を棚曳かすさま正に江南沢国の趣をなす。凡て溝渠運河の眺望の最も変化に富みかつ活気を帯びる処は、この中洲の水のように彼方此方から幾筋の細い流れがやや広い堀割を中心にして一個所に落合って来る処、もしくは深川の扇橋の如く、長い堀割が互に交叉して十字形をなす処である。本所柳原の新辻橋、京橋八丁堀の白魚橋、霊岸島の霊岸橋あたりの眺望は堀割の水のあるいは分れあるいは合する処、橋は橋に接し、流れは流れと相激し、ややともすれば船は船に突当ろうとしている。私はかかる風景の中日本橋を背にして江戸橋の上より菱形をなした広い水の片側には荒布橋つづいて思案橋、片側には鎧橋を見る眺望をば、その沿岸の商家倉庫及び街上橋頭の繁華雑沓と合せて、東京市内の堀割の中にて最も偉大なる壮観を呈する処となす。