Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Lesen Sie 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.224 Zeichen · 269 Bildschirme
の一篇である。これによって三囲堤の下にあった葛西太郎という有名な料理屋は三下りの俗謡に、「夕立や田をみめぐりの神ならば、葛西太郎の洗鯉、ささがかうじて狐拳。」と唱われていたほどであったのが、嘉永三年の頃には既に閉店し、対岸山谷堀の入口なる川口屋お直の店のみなお昔日に変らず繁昌していたことが知られる。
川口屋の女主お直というは吉原の芸妓であったが、酒楼川口屋を開いて後天保七年に隅田堤に楓樹を植えて秋もなお春日桜花の時節の如くに遊客を誘おうと試みた。この事は風俗画報『新撰名所図会』に『好古叢誌』の記事を転載して説いているから茲に贅せない。
わたくしの言わむと欲する所は、隅田川の水流は既に溝涜の汚水に等しきものとなったが、それにもかかわらず旧時代の芸術あるがために今もなお一部の人には時として幾分の興趣を催させる事である。わが旧時代の芸文はいずれか支那の模倣に非らざるはない。そはあたかも大正昭和の文化全般の西洋におけるものと異るところがない。我国の文化は今も昔と同じく他国文化の仮借に外ならないのである。唯仔細に研究し来って今と昔との間にやや差異のあるが如く思われるのは、仮借の方法と模倣の精神とに関して、一はあくまで真率であり、一は甚しく軽浮である。