Japanische Klassiker mit Furigana
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あしぶえ(ひとまく)
葦笛(一幕)
宮本 百合子
Lesen Sie 葦笛(一幕) (あしぶえ(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.908 Zeichen · 20 Bildschirme
精女 アラー? マア――……
第三の精霊 これまでに――お主を……命にかけてとまで思って居るのじゃ。
精女 お立ち下さいませ、泥がつきます。私は貴方さまにそんなにしていただくほど身分の高いものではございませんですから……
第一の精霊 云うでござる、身分の高いものではございませんですから――
良う御ききなされ美くしいシリンクス殿。
年老いた私共は、その若人のするほどにも思われなければ又する勢ももう失せて仕舞うたのじゃ――が年若い血のもえる人達はようする力をもってじゃ。
身分の高い低いを思ってするのではござらぬワ。
体中をもって狂いまわる血の奴めが思う御人の前にその体をつきたおすのじゃ。
第二の精霊 私共にも、出来る力をもった時はあったが幸か不幸か自分の体をなげ出すほど美くしい精女は居らなんだ故死なずにもすんだのじゃ。
ま十年若かったら、つくづく思われるのじゃワ。
第三の精霊はかおを手でおおうたままシリンクスの足元につっぷして居る。指の間からかすかなこえを響かせて云う。
第三の精霊 何とか云うて下され、美くしいシリンクス。お主のその美くしいしおらしげな目ざしで、そのしなやかな身ぶりで私の血は段々なくなって行ってしまう。