Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あしぶえ(ひとまく)

葦笛(一幕)

宮本 百合子

Lesen Sie 葦笛(一幕) (あしぶえ(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.908 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

アア、どうしていいやら、私は心臓ばかりのものになったのじゃあるまいか――

かがやかしいシリンクス――、私の命の――何とか云うて下され何とでも思うままに……

精女(おどろきにふるえながらかたくなって身動きもしないで居る。壺をしっかりかかえて)

第三の精霊 だまってござるナ、何故じゃ、私のこのやぶけそうに波打って居る鼓動がお主にはきこえなんだか、この様にふるえる体がお主には見えなんだか――お主の着物はひだ多く縫うてあるに心はただまったいらな小じわ二つも入って居らぬ、何とか云うて下され、――もう私は口がきかれぬほど――

第一の精霊 精女殿、哀れに思われなんだか?

若い人の心は悶えるのも人一倍くるしみのますものじゃ。火の様になった若人の頭に額に一寸手を置いて御やりなされ、さもなくば髪の毛の上にかるい娘らしい接吻をなげて御やりなされ。

第二の精霊 して御やりなされ、悪い大神の御とがめをうくるほどの事ではない。

精女、ためらいながら左の手につぼをもちかえてまっしろな右の手を栗毛の若い精霊の髪の上に置く。

若い精霊は涙をこぼして居る。

第一の精霊 キッスをして御やりなされ額の上に――