Japanische Klassiker mit Furigana
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あしぶえ(ひとまく)
葦笛(一幕)
宮本 百合子
Lesen Sie 葦笛(一幕) (あしぶえ(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.908 Zeichen · 20 Bildschirme
ペーン マア何と云う御前は美くしい事だ。そのこまっかい肌、そのうす赤くすき通る耳たぼをもって居る御前は――世界中にある美くしいものにつける形容詞を集めても御前の美くしさを云う事は出来まいネー。
精女 ――
ペーン お前はだまって居る。そのしまった口元、見つめた目つき――美くしい事だ、ほんとうに。ビーナス殿の頬の豊かさも眼の涼しさも御前にはキット及ばないに違いない。
精女 そんなにおっしゃらないで下さいませ、そんなにおっしゃられるほどのものじゃあございませんですから――
ペーン まっしろな銀で作った白孔雀の様な――夜光球や蛋白石でかざった置物の様な――私はそう思って居るのだよ。
お前の御主のダイアナも月の冠をかむって御出でるから美くしいのだ、まばゆい車にのっていらっしゃるから立派なのだ。
お前の方がよっぽど美くしいと私は思って居るのだ。
精女、沈黙。
ペーン ネー、シリンクス? 私は一寸ためらわずにハッキリと「お前を愛して居る」と云えるのだよ。私の前にどんな尊いものがあってもどんなに立派な人が居ても――私はお前の心から侍えて居るダイアナに誓っても――アアそれはいけなかった、月は一晩毎に変るからいつでも同じ太陽に誓ってお前を愛して居るのだよ、どうぞ何とか云って御呉れ。