Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
握手を交しながら、私はまずその微笑が、ひどくやさしい、親しみ深いものであるのに気づいた。
研究所の門を入って、私は呆れて立ち止った。マックス・プランツの名を冠したその研究所は、たしか国立のはずだったが、その規模の小ささと殺風景さは、私の想像をはるかに絶していた。……だだっぴろい曇った空の下に、小さな赤煉瓦造りの粗末な母屋が一つと、温室が一つ、物置のような小舎が三つ四つ、それぞれがひどく古めかしい外観をみせて点在して、ただ、それをとりまく疎林と畑地のある平坦な敷地だけが、ひろびろとどこまでもつづいている。それが、有名な「マックス・プランツ」の全景なのであった。
「……ここには、四季の変化しか変化がない。娯楽の設備もない」博士は、肩をならべ母屋の方へ歩きながら、私に笑いかけた。
「私は、独身のまま、ここに住んでいます。助手は三人だが、みんな結婚していて、細君もすべて動物学者なのです。だから私は六人の助手といっしょに、ここで観察と研究だけの毎日を生きているわけです。……近ごろの人、ことにアメリカの若い学者たちは、それを聞くとおどろきます。それでは、毎日が単調にすぎはしないか? 人なみの愉しみも味わわずに、どうして休息をとっているのか。