Japanische Klassiker mit Furigana
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きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
「なんだか、それからというもの、だれもいない場所であんな一人ごとをいっていた彼女、真青な海にぽつんと一つだけ浮かんでいた赤い毛糸の帽子をかぶった彼女の白い顔が、目にちらちらしてしょうがないんだ。思うたびに、なにか胸が痛くなって、いても立ってもいられない気がしてくる。コッケイなことさ、たぶんぼくは恋をしてしまったんだ、彼女に。……それで、ぼくはあれから毎日、夏休みの最後の日まで、欠かさずあの岩まで一人で泳いで行って待っていたんだ。でも、彼女は、二度と姿をみせなかった。……」
「なかなかロマンチックなんだな、君も」
彼は答えずに沈鬱な顔をしていた。そして、苦しげな声でいった。
「じつは、今日、彼女に逢ったんだよ。ついさっき」
私は、また聞き手にまわった。彼は、すこし不愉快げに眉をしかめたまま、ふたたび話しはじめた。
学校から、ぼくはいつもバスで家に帰る。
今日は授業も早く終ったし、クラブ活動もなかったんで、二時ごろだったと思う。偶然、そのバスでぼくはまた牧田のやつといっしょになった。
牧田が、しきりに新しく手に入れたポーランドの切手の自慢をしていたのをおぼえている。