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Japanische Klassiker mit Furigana

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きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、この手も屍体を運搬しなければならない。

では、屍体を煮ちゃうのはどうだろうか。

私は、だんだんと、チョコレートと煙草の効目が出てきたのを感じとった。煮るか茹でるというのはいい。なまのままのバラバラより、もっと気がきいてる。いつか、まちがえてお風呂で煮られちゃった杉並の旦那さんは、表面に厚い脂の層をつくり、ちょっとつつくと肉ははなれて溶けちゃいそうだったという。

そうだ、そうして溶けた部分を風呂場からながし、骨は根気よく叩いて粉にしちゃう。……うん、こいつはいい、だいいち新しい。これなら一人の人間の喪失、つまり「失踪」は完全だ。たとえ壁だの土だのを掘りかえされても、身許不明の屍体がみつかっても、ひやひやしないですむ。ふらりと家を出たという想定で、ついでにそんな着衣と持物を始末しとけばいい。よし、こいつはいい。これで行こう!

むっくりと、ベッドの上に起き上って、私は有頂天で妻の肩をたたいた。

――おい、できたぜ! 声ははずんでいた。これもアイデアを獲得したときの私のいつもの癖の一つだ。

が、壁の方を向いたまま、妻は答えない。何の反応も示さないのだ。