Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きく
親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選
山川 方夫
Lesen Sie 親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選 (きく) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.486 Zeichen · 144 Bildschirme
「……そうか。わかった。これがあなたのしかけた罠なんだな!」
青年は叫び、真青になって立ち上った。
「先生は、いまここでぼくにそれを肯定させて、それをテープにとってしまうつもりなんだ。……なんて人だ。先生は、じつはいま録音して、それを脅迫のネタにするつもりで、それでぼくを呼んだんだな? え?」
怒りと恐怖とをむきだしにし、青年は彼女を睨みつけた。彼女の微笑が凝固するように停った。力なく、彼女は肩をおとした。
「……怒らないで」と、やがて首を垂れて彼女はいった。「ごめんなさいね。坊やに、私、逢いたかったの。どうしても、逢いたかっただけなの」
「録音器は、どこにあるんだ」青年の声は怒りにふるえていた。彼女は目をつぶった。首を、そっとベッドのほうに向けた。
青年はベッドに走り寄った。細い蛇のようなコードが、ベッドの側面にかくれていた。
マイクは、マットのあいだからのぞいていた。ベッドの下にかくされていた録音器の中では、ゆっくりと音もなくテープがまわっていた。
「……これは貰っていきます」
青年はテープをとり、それをポケットに押し込むと、そのままドアに向かった。