Japanische Klassiker mit Furigana
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なぞのくびかざりじけん
謎の頸飾事件
山本 周五郎
Lesen Sie 謎の頸飾事件 (なぞのくびかざりじけん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.265 Zeichen · 15 Bildschirme
新年宴会
新年宴会
正月七日の宵。――七草粥の祝儀をそのままに、牧野子爵邸では親族知友を招待して、新年宴会を催した。
集る者十人。その中でも特に人々の注意をひいたのは、少年探偵としてめきめき名をひろめた春田龍介君とその助手である拳骨壮太、それから警視庁での名探偵と呼ばれる樫田刑事の三人があることだった。
この三人は、去年東京を中心にして行われた大きな犯罪を探偵して、立派な功績をのこした両大関で、その夜はたがいに初めて会うのであった。
「僕春田です」伯父である牧野子爵から紹介された時、春田君は謙遜して自分から握手を求めながら、言葉ひくく話しかけた。
「お噂はいつも伺っております、どうぞよろしく」
しかし樫田刑事は、なにをこの小僧がといわんばかりに、ちらと眼をくれただけで、
「やあ!」といったまま、春田君のさし出した手を握ろうともせず、さっさと自分の椅子の方へ立去っていった。
傍にいてこの無礼な態度を見ていた拳骨壮太は、ぎりぎり歯噛みをして「坊っちゃん、あっしゃあ彼奴をのしちゃうからね!」と腕をまくった。しかし春田少年はそんなことで怒るような小胆者ではない。立去って行く刑事の後姿を見送って肩を竦めてふふんと笑いながらいった。