Japanische Klassiker mit Furigana
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なぞのくびかざりじけん
謎の頸飾事件
山本 周五郎
Lesen Sie 謎の頸飾事件 (なぞのくびかざりじけん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.265 Zeichen · 15 Bildschirme
ダイヤ奪わる
「よろしい、諸君、では物語の中心となったその頸飾をごらんに入れましょう」
子爵はすぐに小間使を招いて、夫人の化粧室から、頸飾を持ってくるように命じた。
間もなく小間使は黒天鵞絨張の小筐を持って帰って来た。人々は世界的に有名な頸飾を見たいというので、子爵のそばへ寄っていった。
「これです」子爵はやがて小筐の中から、燦然と輝き光る一連のダイヤの頸飾をとりだして人々に示した。
「この頸飾は初めトルコの王宮に秘蔵されていたもので、古い伝説によると、あのギリシャの英雄アレキサンダア大王が、自分の頸にかけていたものだということです」
子爵の話に耳をかたむけながら、人々は驚きの眼を瞠ってその頸飾をみつめるのであった。
ダイヤ奪わる
やがて人々が見終ると、子爵は頸飾を小筐に戻して小間使にわたした。
「元の場所へしまっておいで」
小間使は小筐を持って客間を出ていった。
それから客達が自分自分の席に戻って、がやがやと頸飾の噂話をはじめた時だった。
「きゃっ※(感嘆符二つ、1-8-75)」という女の叫び声が聞えて、夫人の化粧室の方に荒々しく人の倒れる音がした。瞬間、人たちは愕然として佇んだが、樫田刑事が真先に駈け出すと、はっと気づいてその後から、悲鳴の聞えた方へ、ばらばらと走っていった。