Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なぞのくびかざりじけん
謎の頸飾事件
山本 周五郎
Lesen Sie 謎の頸飾事件 (なぞのくびかざりじけん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.265 Zeichen · 15 Bildschirme
怪しい紳士秋山は、室の片隅に不安な顔をして立っていた。
小間使は樫田刑事の介抱で、すぐに正気にかえった。そして打たれた額を濡れ手拭で押えながら、ぽつりぽつり話しだした。
「私、このお部屋へ入ってきますと、突然夜会服を召した紳士の方が、真暗な扉の蔭から跳出してきました。あっと思って引返そうとしましたが、そのとたん棒のような物で額をひどく打たれましたので、そのまま気を失ってしまいましたのです」
「ふむ――」樫田刑事は小間使の倒れていた場所に落ちていた長さ二尺くらいの棍棒を拾いとった。そしてポケットから指紋帳を取り出して、手早く棍棒に印されてある指紋をとった。
「さて、秋山さん」刑事は室の隅に、先ほどから顫えながら立っている紳士を呼んだ。
「失礼ですが貴方の指紋を取らせていただきたいものですね」
秋山紳士は恐る恐る近寄った。刑事は顫えている秋山紳士の指を握って、指紋帳の上に押しつけてから、棍棒に印されていた指紋を合せて見た。樫田刑事の顔には、得意然とした微笑があらわれた。
「合う、この二つの指紋はぴったり合う、同一の指紋だ」
「それは間違だ※(感嘆符二つ、1-8-75) 誤解だ※(感嘆符二つ、1-8-75)」