Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
新子は、収まらぬ胸を落ちつけるつもりで、机の上に置かれてある、朝刊を取り上げた。
朝の内に、主人が読み、その次に夫人が読む、夫人は朝寝であるから、新子のところへ新聞が廻って来るのは、いつも祥子の勉強が了ってからであった。
三面をザッと読んでから、文芸欄を開いて、随筆や時評などを漫然と読んでいると、ふと「新劇研究会の公演」という見出しが眼についた。埋草のように六号で組まれたものだが、姉が関係していることを知っているだけに、新子の眸はひきつけられた。
二十五日より今月末まで、S劇場で旗拳公演をしている、小池利男氏の統制下にある若い素人の劇団だ。出し物のうち、ルノルマンの「落伍者の群」は、稽古が足りない恨みがあるが、どこか新鮮な力の溢れている演出だ。殊に白鳥洋子の「彼女」は傑出している。恐らく、今度の公演での唯一の収穫だろう。聡明な理解に充ちた演技だ。この人の未来を嘱望せずには居られない。(IT生)
読みおわると、新子は胸がおどった。姉の圭子が問わず語りに、
(妾、もし舞台に出るのであったら、白鳥洋子という芸名にするの。どう、白鳥洋子と、いうの?)と、いったのを思い出したからである。