Japanische Klassiker mit Furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme
」と、木賀は事もなげだった。
「でも……」と、不安そうな表情を、正直にさらけ出すと、
「こんなところで、新しい酒場を出せば、すぐ僕に分りますよ。」
「だって、私が居りますのが……」
「そりゃ、僕の六感。」と、木賀は、いよいよ事もなげに笑った。新子も笑いながら、
「こわい六感ですわねえ。私、貴君がはいっていらしったのを見てびっくりしましたの。」と、受けながら、新子の気持はやや落着いた。
「いくら、びっくりしても、あんなに颯爽と、お逃げにならなくっても、いいじゃありませんか。あれで、貴女だということが、いよいよ分った……」
「まあ、颯爽と……」妙な比喩に新子も笑った。
「貴女が、銀座に出たという噂だけは、聞いたんですよ。それ以来貴女を探していたのですよ。でも、ここだろうと睨んだのは、僕の直感だったのですよ。」
「私が、銀座に出ているなんて噂、どなたから、お聞きになりましたの……」新子は、また不安になった。
「それは、貴女の六感に委せる。多分、当る!」
「まあ!」
(前川さんにですか、それとも奥さんからですか)と、訊き返そうとしたが、それは相手が前川と自分の関係を知らない場合は、藪蛇になるので、新子は咽喉まで出た言葉を、噛み殺した。