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Japanische Klassiker mit Furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Lesen Sie 貞操問答 (ていそうもんどう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.240 Zeichen · 399 Bildschirme

Aozora Bunko

「大丈夫でしょう。ねえ。」と、もう一度云うと、すっかり不機嫌そうに、謝罪の言葉など一言もなく、二人の脇を馬に乗ったまま、通りすぎてしまった。

「足を、どうかなさったのですか。」そう云いながら、青年は取り敢ず、新子の手を曳いて、彼女が落ちかかっていたくぼ地から、彼女を小径の方へ連れ出した。

「何でもございませんの、私、ぼんやりしておりましたので、随分驚いてしまって……痛っ……」シャンとしようとすると、足首が痛かったので、彼女は思わず声を立てて、青年の肩にすがった。

「足をくじかれたのでしょうか。」

「いいえ。大丈夫です。どうぞ、いらっして下さいませ。」新子は、すぐにも自分の痛い足を見たいのに、青年がいるので、裾を揚げるわけにも行かず、夫人のお客様などの世話になる気には、とうていなれず、ただ早く立ち去ってくれればと思っていた。

「手から血が出ていますよ。」と、云われて、新子は初めて、手首の痛みにも気がついた。白樺の幹ですりむいた傷らしかった。

彼女の白い手の甲に、うっすらと血が滲んでいた。

「無茶ですよ。あの人は、……乱暴に飛ばせるんだもの……」夫人のことらしかった。