Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.416 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

登は黙って喰べていた。

給仕のせいではない、半太夫は春さきから食欲がおとろえていた。お雪の当番のときは、お雪の哀願するような表情に負けて、むりにも喰べるようであるが、そうでないときや、おかずの気にいらないときなどは、箸を取るのが苦痛だというふうにさえ、みえることが少なくなかった。

病気があるんだ、食欲のないのは病気があるからだ。

それもおそらく労咳であろうと、登はまえから推察していた。自分では気がつかずにいるのか、それとも、多くの病人がそうであるように、気づいていながら事実に眼をそむけているのか、どちらともはっきりとはわからない。去定は半太夫を愛しており、治療には必ず彼を伴うし、外診で留守にするときは、あとのことを彼にすっかり任せている。自分の後継者にと思っているようにみえるが、彼の健康についてはなにも云わないようである。去定の眼に、半太夫の躯のむしばまれていることがわからない筈はない。医者の不養生ということもあるし、身近な者には却って注意が届かないということもあるが、去定ほどの人にそんなことは考えられない。

――たぶん知っているのだろう。

そして、「そうだ」