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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.548 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

俗に「戸納質」という、土蔵もないささやかな店だったが、しょうばいがうまく当って、安い売家や土地を買い溜めた。運もよかったのだろう、また、質屋の店をひろげずに、土地や家を買い溜めたことが、与七の性に合っていたのかもしれない。しだいに資産を積み、十五年ほどまえ、質屋をやめて神楽坂へ移り、地所と家作を専業にするようになった。

藪下の三棟の長屋は、与七がまだ五丁目で質屋をやっているじぶん、正確にいうと十九年まえから、店子に無償で貸していた。店賃を取らないばかりでなく、直すところがあれば、高田屋で直し、店子には一文の負担もかけなかった。

「しかもそれは」と角三が云った、「与七という旦那の代だけではなく、伜の松次郎の代まで続ける約束で、差配の元助が証人だったそうです」

「なにかわけがあったのか」

「あったんでしょう」と角三は云った、「なにかわけがなければ、そんな約束をする筈がありませんからね」

「理由はわからないのか」と登が訊いた。

「わからないんです」と角三が答えた、「差配も代が替りましたし、そのじぶんのことを知っているのは、このおたねのじいさま一人だけで、それもすっかりぼけちゃってるもんですから」