Japanische Klassiker mit Furigana
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ちかごろかんじたこと
近頃感じたこと
小川 未明
Lesen Sie 近頃感じたこと (ちかごろかんじたこと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.765 Zeichen · 8 Bildschirme
今年の夏になってからのことでした。私は庭のありを全滅してしまわなければならぬと考えました。日ごろから、ありは多くの虫のなかで、もっとも利口であり、また組織的な生活を営んでいる、感心な虫であることは、知っていましたが、木や、竹に、油虫をはこび、せっかく伸びた芽をいじけさせて、その上、根もとに巣をつくり、幹に穴などをあけるのでは、客観的にばかり、ながめてもいられなくなって、害虫として駆除しにかゝったのです。
草花屋から、買ってきた殺虫液の効能書には、あり退治にもきくように記してあったが、なぜか、ありにはきくまいというような感じがしました。はたして、使用して見ると、その日だけは、ありの姿を消すが、あくる日になると、依然として、彼等は、木を上ったり、下ったりしているばかりでなく、竹の葉先などには、昨日よりも多くの白い油虫がついているのを認めたのでした。
あるいは、草木にさわると思って、薬を加減したせいかもしれない。これならば、きかぬはずがあるまいと、次には、濃いのをかけて見ました。敏感なあり達は、すばしこく逃げたのであるが、薬のかゝったのだけは、よろめきながら歩いて、やがて、そのまま倒れてしまいました。