Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme
母がひとり子ども三人、夫婦をあわせて六人の家族、妻君というのは、同業者のむすめで花前の恋女房であった。地所などもすこしは所有しておって、六人の家族は豊かにたのしく生活しておった。
それ以前から、安藤は某学校の学費まで補助してもらい、無二の親友として交際しておったのだが、安藤がいまの会社へはいって二年めの春、母なる人がなくなり、つづいて花前の家にはたえまなき不幸をかさねた。
その秋の赤痢流行のさい、親子五人ひとりものこらず赤痢をやった。とうとう妻と子ども三人とはひと月ばかりのあいだに死亡し、花前は病院にあってそれを知らないくらいであった。
そんな状況であるから、営業どころの騒ぎでない。自分が熱心奔走してようやく営業は人にゆずりわたした。花前は二か月あまりも病院におっていつまで話さずにおくわけにゆかないから、すべてのことを話すと、
「破壊しおわった断片の一個をのこしてどうするものか、のこったおれだってこまる、のこされた社会もこまるだろう、この一個の断片をどうにかしてくれ、おれはどうしてもこの病院をでない」と絶叫して泣いたけれど命数があれば死にも死なれないで、花前は追われるように病院をでた。