Japanische Klassiker mit Furigana
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme
それもこれも考えればみな自分のうかつから求めたことでまぬがれようのない、いわゆるみずから作れるわざわいだ……。
恋愛などということただただばかげてるとばかり思っていたが、恋愛のとぼしい結婚はじつにばかげておった。ばかげているというよりも、いまはそのあさはかな結婚のために、たまらないいやなくるしみをせねばならぬことになった。
こう思って糟谷はまた妻や子の寝姿を見やった。なにか重いものでしっかりおさえていられるように妻や子どもは寝入っている。
いよいよ自分も非職となり、出世の道がたえたときまったら、妻はどうするか、かれの両親はどういう態度をするか、こういうときに夫婦の関係はどうなるものかしら。いっそのこと別れてしまえばかえって気は安いが、やはり男の子ふたりのかすがいが不本意に夫婦をつないでおくのだろう。
「しようがないから」「どうすることもできないから」「よんどころないからあきらめている」というような心持ちで、いかにもつまらない冷やかな家庭を作っていねばならないのか、ああ考えるのもいやだ……。
うっかりして過渡期の時代におったというのが、つまり思慮がたらなかったのだ……。