Japanische Klassiker mit Furigana
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はまぎく
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (はまぎく) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.907 Zeichen · 29 Bildschirme
それじゃあ君それは日本人の時代でもなければ精神でもないよ。吾々が時代の人間になるのではない、吾々即時代なのだ。吾々以外に時代など云うものがあってたまるものか。吾々の精神、吾々の趣味、それが即時代の精神、時代の趣味だよ。
いや決してえらい事を云うんじゃない。傲慢で云うんじゃない。当り前の頭があって、相当に動いて居りさえすれば、君時代に後れるなどいうことがあるもんじゃないさ。露骨に云って終えば、時代におくれやしないかなどいう考えは、時代の中心から離れて居る人の考えに過ぎないのだろうよ」
腹の奥底に燃えて居った不平が、吾れ知らず気に風を添えるから、意外に云い過した。余りに無遠慮な予の詞に、岡村は呆気にとられたらしい。黙って予の顔を見て居る。予も聊かきまりが悪くなったから、御馳走して貰って悪口いうちゃ済まんなあ。失敬々々。こう云ってお茶を濁す。穏かな岡村も顔に冷かな苦笑を湛えて、相変らず元気で結構さ。僕の様に田舎に居っちゃ、君の所謂時代の中心から離れて居るからな、何も解らんよ。とにかくここでは余り失敬だ。君こっちにしてくれ給え。こういって岡村は片手に洋燈を持って先きに立った。