Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
僕等の学問というは、仰せのごとく悲しき事に候えども、職業のための学問に違いなく学校へ出なければ職業が得られぬように思われ候うところがはずかしく切なく候う。人格を養うため精神的生活にはいるためならば、学校は必要のものには無之、職業のためむしろ欲のためとなると、学問といわんよりは、学校というものを卒業する事が必要に相成るべく、いずれにしても平凡人のせつなさに候う。
僕は長男にして家には財産と申すは少しばかりより無之身に候う。親は僕に待っていること少なからざるべく候う。昨日父より帰国しろという手紙を受取り候う時は、とっさにはぼんやり致し居り候いしかど、ようやくにして悲しさ申しわけなさに泣き申し候う。実際僕一身の希望から申せば、拘束なき自由に生活を喜び候えども、一家の事情を考え合わすれば、これもあまりわがまま過ぎる望みのように被存候う。その上今日は今までとは違い、他の医者に診てもらい候うところ、肋膜はうまくなおった、盲腸もなんともない、ただ肺尖が少し悪い、養生しろと申され候う。一思いに退学しようと思ってもこんな事をいわれれば未練が残り候う。家ではいかに思い候うや一日も早く帰れと申しきたり候う。