Japanische Klassiker mit Furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (おちぼ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 25.621 Zeichen · 52 Bildschirme
学問をやるもやらぬも病気次第です。で、あんまり考えない事にしました。」
「こりゃおもしろそうで、やっぱりいけない。考えない事にしたといっても、病気に支配されては考えないわけにゆくまい。」
「なぜですか。」
「なぜって君の精神と君の病気と交渉のある間は、考えまいとて考えないわけにゆく者じゃない。」
「実際僕にはなにもかもわからなくなってしまいました。今まで考えていた事はみな表面ばかりの浅薄な考えばかりでした。病気のために学問をやめるも、病気のために自分のいっさいの希望が空になっても自分ひとりならば、そんなに悲しくも思わないですが、親兄弟の関係を考えると情けなくなってきます。」
「君はやはりいつわりをいってるからいけない。君はやっぱり命が惜しいのだ。浅薄な希望に執着があるのだ。命の惜しいのをはじるような考えからいつわりが出るのだ。人間命の惜しいのは当たり前だ。ただ命は惜しんでもしかたがないから考えねばならない。親兄弟の関係といっても、自分が安心しないで親兄弟に安心させられるはずがない。親兄弟の関係を思うならば、まず第一に自分が安心するくふうを考えろ。」
こう烈しくいわれて、矢野はすこぶる興奮してきた。