Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はちのき

鉢の木

山本 周五郎

Lesen Sie 鉢の木 (はちのき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.534 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

色も変えずにそう云う又左衛門の態度は、四郎兵衛にこれまでとは違った闘志を感じさせた。いつかみた憂愁の色や無感動なところはまるでみえない、眉宇にはつよい意志があらわれ、端正な相貌はいかなるものにも屈しない不敵なちからが溢れている、精気のぬけた男と憐れんだ姿が、いま別人のようになって眼前に立っているのだ。「よく申した……」四郎兵衛はまるで快哉を叫ぶように云った、「それでは柔弱でない証拠をみせて貰おう、改めておれから果し状をつけるがみごと受けるか」「念には及ばぬ、どこで、いつ……」「場所は津野神社の境内、時刻はあすの明け七つだ」「心得た、だが一つだけ条件がある」又左衛門はしずかに云った、「場所も時刻もよい、しかし萩尾どのには内密だ、あのひとには断じて気づかれたくない、この条件を守って貰おう」「そうする必要があるのか」「ある……なぜなら、果し合が済んだらこの家へ迎えるつもりだから」にっと笑いながらそう云う顔を、四郎兵衛は寧ろ呆れたように見あげていた。

帰り去る壱式四郎兵衛を見おくってから、又左衛門は奥の居間へもどった、うるさく云い寄る