Japanische Klassiker mit Furigana
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もん
門
Lesen Sie 門 (もん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.830 Zeichen · 278 Bildschirme
「だって小六さんなんか、まだ若いじゃありませんか。何をしたってこれからだわ。そりゃ兄さんの事よ。そう悲観してもいいのは」
御米は二度ばかりこういう慰め方をした。三度目には、
「来年になれば、安さんの方でどうか都合して上げるって受合って下すったんじゃなくって」と聞いた。小六はその時不慥な表情をして、
「そりゃ安さんの計画が、口でいう通り旨く行けば訳はないんでしょうが、だんだん考えると、何だか少し当にならないような気がし出してね。鰹船もあんまり儲からないようだから」と云った。御米は小六の憮然としている姿を見て、それを時々酒気を帯びて帰って来る、どこかに殺気を含んだ、しかも何が癪に障るんだか訳が分らないでいてはなはだ不平らしい小六と比較すると、心の中で気の毒にもあり、またおかしくもあった。その時は、
「本当にね。兄さんにさえ御金があると、どうでもして上げる事ができるんだけれども」と、御世辞でも何でもない、同情の意を表した。
その夕暮であったか、小六はまた寒い身体を外套に包んで出て行ったが、八時過に帰って来て、兄夫婦の前で、袂から白い細長い袋を出して、寒いから蕎麦掻を拵らえて食おうと思って、佐伯へ行った帰りに買って来たと云った。