Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
花壇の向うは畠になっていて、その西の隅に別当部屋の附いた厩がある。花壇の上にも、畠の上にも、蜜柑の木の周囲にも、蜜蜂が沢山飛んでいるので、石田は大そう蜜蜂の多い処だと思って爺さんに問うて見た。これは爺さんが飼っているので、巣は東側の外壁に弔り下げてあるのであった。
石田はこれだけ見て、一旦爺さんに別れて帰ったが、家はかなり気に入ったので、宿屋のお上さんに頼んで、細かい事を取り極めて貰って、二三日立って引き越した。
横浜から舟に載せた馬も着いていたので、別当に引き入れさせた。
勝手道具を買う。膳椀を買う。蚊帳を買う。買いに行くのは従卒の島村である。
家主はまめな爺さんで、来ていろいろ世話を焼いてくれる。膳椀を買うとき、爺さんが問うた。
「何人前いりまするかの。」
「二人前です。」
「下のもののはいりませんかの。」
「僕のと下女のとで二人前です。従卒は隊で食います。別当も自分で遣るのです。」
蚊帳は自分のと下女のと別当のと三張買った。その時も爺さんが問うた。
「布団はいりませんかの。」
「毛布があります。」
万事こんな風である。それでも五十円程掛かった。
女中を傭うというので、宿屋の達見のお上さんが口入屋の上さんをよこしてくれた。