Japanische Klassiker mit Furigana
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かのように
阿部一族・舞姫
Lesen Sie 阿部一族・舞姫 (かのように) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.875 Zeichen · 141 Bildschirme
商人が手土産なんぞを置いて帰ったのもある。そうすると、石田はすぐに島村に持たせて返しに遣る。それだから、島村は物を貰うのを苦に病んでいて、自分のいる時に持って来たのは大抵受け取らない。
或日帰って見ると、島村と押問答をしているものがある。相手は百姓らしい風体の男である。見れば鶏の生きたのを一羽持っている。その男が、石田を見ると、にこにこして傍へ寄って来て、こう云った。
「少佐殿。お見忘になりましたか知れませんが、戦地でお世話になった輜重輸卒の麻生でござります。」
「うむ。軍司令部にいた麻生か。」
「はい。」
「どうして来た。」
「予備役になりまして帰っております。内は大里でございます。少佐殿におなりになって、こちらへお出だということを聞きましたので、御機嫌伺に参りました。これは沢山飼っております内の一羽でござりますが、丁度好い頃のでござりますから、持って上りました。」
「ふむ。立派な鳥だなあ。それは徴発ではあるまいな。」
麻生は五分刈の頭を掻いた。
「恐れ入ります。ついみんなが徴発徴発と申すもんでござりますから、ああいうことを申しましてお叱を受けました。」
「それでも貴様はあれきり、支那人の物を取らんようになったから感心だ。