Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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がん

雁

森 鴎外

Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme

Aozora Bunko

お玉はだいぶ久しく布団の中で、近頃覚えた不精をしていて、梅が疾っくに雨戸を繰り開けた表の窓から、朝日のさし入るのを見て、やっと起きた。そして細帯一つでねんねこ半纏を羽織って、縁側に出て楊枝を使っていた。すると格子戸をがらりと開ける音がする。「いらっしゃいまし」と愛想好く云う梅の声がする。そのまま上がって来る足音がする。

「やあ。寐坊だなあ」こう云って箱火鉢の前に据わったのは末造である。

「おや。御免なさいましよ。大そうお早いじゃございませんか」銜えていた楊枝を急いで出して、唾をバケツの中に吐いてこう云ったお玉の、少しのぼせたような笑顔が、末造の目にはこれまでになく美しく見えた。一体お玉は無縁坂に越して来てから、一日一日と美しくなるばかりである。最初は娘らしい可哀さが気に入っていたのだが、この頃はそれが一種の人を魅するような態度に変じて来た。末造はこの変化を見て、お玉に情愛が分かって来たのだ、自分が分からせて遣ったのだと思って、得意になっている。しかしこれは何事をも鋭く看破する末造の目が、笑止にも愛する女の精神状態を錯り認めているのである。お玉は最初主人大事に奉公をする女であったのが、急劇な身の上の変化のために、煩悶して見たり省察して見たりした挙句、横着と云っても好いような自覚に到達して、世間の女が多くの男に